資格・検定書籍店

　刑法は理論的な対立が激しく、かつては立場の異なる複数の体系書を読み、それぞれの違いを理解した上でサブノートにまとめる作業が必要であった。

　こうした地道な努力は確かに力になるが、刑法以外にも判例タップりの憲法や条文の豊富な民法・商法、技術的な訴訟法まで勉強しなければならないので、全ての分野で立場の違う基本書を何冊も読み比べていてはとても時間が足りなくなってしまう（合格までに何年も必要となる）。

　そこで司法試験合格のためだけに的を絞り効率よく勉強するためのテキストが本書。理論的に重要な対立点に関しては深く掘り下げて記載されており主要な学説はシッカリと網羅している。加えて、主要判例も重要度に応じて解!説つきで掲載され、条文の本文まで掲載してあるので、本書があれば判例集や六法を持ち歩く必要もない。

　刑法は本格的な体系書をベースに勉強すべきであって、たかが予備校のテキストでは・・・などと侮ってはいけない。学説上の対立を理解し、それぞれの説の長所・短所を俯瞰した上で自らの立論のベースを定めるためには、こうしたテキスト調の本の方が却って良く理解できる。